月下美人 - epiphyllum - oxpetalum - since 2008/03/04
徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。 今のところ、遙かなる時空の中でシリーズ中心。 微妙にガンダム00が進出中。 BlogPetがクリックすると変なお返事してくれます。(笑) |
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【 遙か2 創作 】 マインドイーター。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。
遙かなる時空の中で2、翡翠×幸鷹です。
全年齢対象だとは思いますが・・・。
(BLの時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)
【 マインドイーター 】
遙かなる時空の彼方で出会った少女と共に、本来の自分の世界に帰ってきて半年ほど経った。
8年という歳月は、決して短いものではなく、深まった溝を修復するのに一月ほど。
家族との再会や、学歴の修復、生活の安定。
やることは山ほどあって、嵐のように日々は過ぎていった。
どういうわけか、勝手についてきた翡翠も同じような日々を送っている、はずだ。
いくらなんでも成人を越して、親の世話になるのも申し訳なく思い、まずは仕事に就いた。
とりあえず、収入を安定させて、学業はそれからでも遅くはないと考えたからだ。
神子殿の采配というか、ルームシェアの方がきっといろいろ便利だろうから、と翡翠とひとつの家に住んでいる。
どうにも翡翠はこの世界での生活が楽しいようで、仕事ももちろんしているようだが、妙に率先して家事などをやっていたりする。
私のように予備知識があるわけでもないのに、すっかり順応して、和製英語などの言葉はもちろん、電子機器などもそつなく使いこなしている。
日々におわれている私と違って、翡翠はこの世界での生活を楽しんでいるようだ。
京で暮らし、身の回りのことはほとんど女房にやってもらっていた私には、率先して家事をする翡翠はかなり重宝している。
京にいた頃は、そんなこと思いもしなかった。
いつも人の揚げ足を取るようなことばかりして、とにかく癇に障る男だと思っていた。
だが今は、便利な家政婦がいたものだと、認識を改めている。
「幸鷹、今日は私は少し早く出るから。朝食はテーブルの上、弁当もね」
「あぁ、解った」
「あぁ、それと、今日は遅くなるから、夕食は適当に済ましておくれ」
「解った」
「ではね」
こちらの世界に来て、はじめは驚くことばかりだったけれど、至極便利なものに囲まれた世界だと気づいてからは、とにかく件の彼をどうやって陥落させるかを考えるのが楽しくなった。
幸鷹は、私が何のためにこちらの世界に来たのかと頭を悩ませていたが、そんなのは簡単なことなのにね。
私はただ、欲しいものを手に入れるために策を講じているだけなのに。
だから、まずは家事をやることにしてみた。
自分の領域に他人を入れるというのは、意外と難しいことだからね。
京ではすでに生活領域は女房に支配されていたから、手を出せなかったけれど、こちらの世界ではまだ誰も彼の領域を侵していないから。
家政婦なんていう無粋なものに、幸鷹の私生活を支配される前に、私が支配することにした。
前述したように、こちらの世界は至極便利なものに溢れているから、私のような無頼のものでも家事をこなすことが出来る。
まずは生活用品の整理を、そして食事を。
すべて私の手で用意して、それをすべて幸鷹に。
もともと、京で女房に身の回りのことを任せていた幸鷹だ。
はじめは私に衣服や食事を用意されるのは抵抗感があったようだが、もともとそういう生活に浸かっていた人間だ。
次第に慣れ始めて、今ではそれが当然のようになっている。
そして、生活に余裕が出始めれば、何かに凝ることもできるわけで。
私は食事に凝ることにした。
そう、舌を肥えさせ贅沢にして、私が作ったもの以外受け付けないようにしてしまおうと思ったのだ。
はじめは自分の作ったものを幸鷹が口に運ぶ、という行為に酷くそそられたけれど、あまり食にこだわりがない幸鷹は割とどこでも適当に食事をしてしまう。
それが何だか気に食わなくて、私が作るもの以外受け付けない身体に変えてしまおうと思ったのだ。
当人に気づかれないよう、じわじわと体の中から犯していくというのは、ある種の快感に似ていると気づいてからは、食事を作るときの気合が違ってきた。
その努力がそろそろ功を奏してきたようで、幸鷹はたまに外食にすると、微妙な表情をするようになった。
まぁ、そうなるように仕向けたのだけど。
幸鷹には贅沢になってもらわねば困るのだ。
そう、私の作るもの以外、受け付けなくなってもらわねば。
そうして、贅沢になって、私がいないと生活できなくなればいいと思う。
そのためならば、どんな努力だって惜しまない。
贅を尽くし、十分に肥え太り、熟した幸鷹を、美味しくいただくための努力だから。
さて、そろそろころあいだ。
時間は夕刻。
高い電子音が、小さな端末を震えさせた。
「・・・どうかしたかね、可愛い人」
果実が熟すまでは、あと少し。
END
***** あとがき。*****************************************
久しぶりに書いたけど、何か微妙・・・。
翡翠さんがいないと何も出来ない幸鷹さんを書こうとしたんだが。
元ネタは、某同人誌。(爆)