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月下美人 - epiphyllum - oxpetalum - since 2008/03/04

徒然のんべんだらり、気の向くまま萌の赴くまま。
今のところ、遙かなる時空の中でシリーズ中心。
微妙にガンダム00が進出中。
BlogPetがクリックすると変なお返事してくれます。(笑)

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【 ガンダム00 創作 】 パラレル・アタック。

創作の小話です。
BL要素のあるものなのでお嫌いな方は、閲覧をご遠慮くださいますよう、お願い致します。

ガンダム00、ロックオン+アレルヤです。(ロク×アレへの挑戦みたいな感じ)
全年齢対象だとは思いますが、獣耳ネタです・・・。
(BL要素の時点で全年齢対象・一般向けではないような気がしないでもないですが)

タイトルのとおり、パラレルバンザイな内容になってます。(汗)





【 パラレル・アタック 】



「どうしろってんだよ・・・」





小鳥がさえずる、晴れ渡った青空からの眩しい日差しも爽やかな朝。
しかしながら、個人的には徹夜明けの休日。
ロックオン・ストラトスは日頃の疲れを癒すべく、遮光カーテンを閉め切った部屋の中、ベッドに深く沈みこみ、時間の許す限り惰眠を貪る気満々だった。
そう、本人は寝る気だったのだ。
しかし、本人の事情なんかこれっぽちも関与しない無常な日常は、けたたましいドアベルによってロックオンを眠りの淵から叩き起こしたのだった。
もしもロックオンが、図太い神経の持ち主だったのなら、このまま居留守を決め込んで寝入ってしまえたのだろうが、如何せん律儀な彼は、本当に律儀に眠い頭を叩き起こして、玄関へと向かうのだった。
その間も、これでもかとドアベルは鳴らし続けられていた。

「はいはい、今出ますよ~」

半ば寝ぼけた頭で、独り言をぼやきながら玄関を開けた刹那、ロックオンは仰け反ることになった。

「うおっ! み、ミス・スメラギ・・・?!」

「もう、お昼も近いってのに、まだ寝てたの? まったく、だらしないわねぇ」

ドアの前に立っていたのは、職場の上司でもあるスメラギ・李・ノリエガだった。
彼女は腰に手を当て、憤慨したようにロックオンを見上げていた。
しかし、何を隠そう、ロックオンが徹夜をする原因を作ったのは、上司でもある彼女なのだ。
その彼女から与えられた仕事をこなし、夜を明かしてしまった彼が、午睡をまどろんでいても責められる謂われはない。
だが、彼女はそんなことを一切考慮に入れず、盛大にため息をついたのだった。

「はぁ、どうもすいませんね・・・。で、どうしたんですか」

「あぁ、そうそう。あなたにお願いがあるのよ」

「お願い、ですか」

彼女のそういった行動には、部下になってすっかり慣れてしまったロックオンは、ぼりぼりと頭をかきながらスメラギに問いかけた。
休日に、彼女がわざわざ尋ねてきたのだ。
何もないはずはない。
色っぽいお誘いならば、ロックオンとて笑顔で対応できるのだが、スメラギに限ってそんなはずもないだろうと尋ねるロックオンの口調も少々重い。
そんなロックオンの心情を慮ることなく、スメラギは明るい声で答えたのだった。

「実はね、暫く預かってもらいたいものがあるの」

「はぁ」

「じゃ、よろしくね。1週間後に迎えに来るから!」

「へっ?」

「私これから出張なのよー。もう、飛行機乗らなくちゃいけないの。だから、よろしくね」

「ちょ、ミス・スメラギ?!」

じゃぁね、とさっさと車に乗り込んで出発してしまったスメラギを呼び止めることも出来ず、ロックオンは行き場のない手を中空に伸ばしたまま固まってしまった。
ロックオンはスメラギの走り去った路面と中空に伸ばした手を途方にくれながら見つめた。
その視線の両方の先にある、スメラギの預け物に困惑しながら。

「・・・あの」

彼女の預け物、それはものでなく人(厳密には人ではないのだけれど)は、ロックオンの視線に酷く恐縮しながら、小さく呟いた。
その恐縮の度合いは、垂れたしっぽと寝そべってしまった耳の具合で明らかだ。
ペットとして開発・改良された人と似て非なるイキモノ、愛玩用獣人。
正しくは、獣人という表記ではないのだけれど、人の外見を持ちながら獣の耳としっぽを持つため、見た目からそう呼ばれることの多い、いわゆるペットとされるイキモノ。
ペットというものに縁のないロックオンであるが、さらに獣人となると余計にお鉢違いだ。
その上、人の姿をしているものを、ペット扱いするというのは、ロックオンの範疇から外れている。
おいそれと犬や猫の子のように(現実問題、実際はそれと然したる差はないイキモノなのだが)、ちょっと預かっておいてといわれて、はいそうですかと預けられるものではロックオンにとってはないのだ。
だが、預けていった本人のスメラギはもういない。
寝入りばなでぼんやりした頭も、一気に思考を停止したくなってきた。

「とりあえず入れ。で、適当にやってくれ。俺は寝る、寝たい・・・」

「は、はい。お邪魔します」

投げやりにかけた言葉に、ペットは礼儀正しくお辞儀して歩き出した。
返事が返ってきたことに、ロックオンは少し安堵した。
言葉が通じるというのは、ありがたかった。
その上礼儀正しい。
部屋に上がる時も、きちんと一人で靴を脱いで、その向きをそろえ、さらに脱ぎっぱなしだったロックオンの靴までそろえてくれていた。

「あー、俺は寝るけど。腹が減ったなら、冷蔵庫にあるもん、何でも食っていいからな」

「あ、はい。ありがとうございます」

リビングまで案内して、ロックオンは一言付け加えて寝室に倒れこんだ。
もう眠くて仕方がない。
面倒なことは、起きてから考えればいいと、布団を引っかぶった。
スメラギの預け物は、あの様子なら放っておいても大した問題も起こしそうにないし、と。
そしてロックオンは、眠りに沈む際、そういえば名前を聞いていなかったと思い至ったが、起き上がって名前を聞く気力はすでに彼にはなかった。



太陽が西に傾き、空を朱に染める頃、ようやくロックオンは眠りから覚めた。
しっかり眠ったせいか、幾分、頭の中もすっきりしていた。
ロクに食事も取らず、眠り続けていたせいで、空腹を訴えた腹が音を鳴らす。
するとそこに、食欲をそそるかぐわしい匂いがかすかに漂ってきた。
ロックオンはぼんやりと、隣家の食事の匂いでも漂っているのか、と思ったのだが、まな板を叩くリズミカルな音が、間近で聞こえ、はっと身を起こした。
バタバタとリビングに駆け込むと、台所に立つ、背中に出会う。

「あ、お早うございます」

「あ、あぁ」

「お台所と冷蔵庫の中のもの、勝手にお借りしてます」

「あぁ、かまわねぇけど」

「もう少しで出来ますから」

てきぱきと動く姿に呆然としながら、ロックオンは手持ち無沙汰にリビングのソファに腰を下ろした。
聞きたいことはいろいろあったが、とりあえず、料理をしている相手を邪魔することもはばかられたし、なによりも美味しそう匂いが空腹を刺激して、食事のこと以外あまりものが考えられなくなっていたのだった。

「どうぞ」

「あー。じゃぁ、いただきます」

しばらく料理をする背中だの、ぴこぴこ動くしっぽだの耳だのを眺めていると、お盆に載せた料理が目の前に並べられた。
きっと冷蔵庫の中のものはお粗末だったのだろう、それはどれも簡素なものだったが、何故だかなつかしくなるような味ばかりだった。
単に手料理というものに餓えていただけなのかもしれないが、それでもそれは十分に美味しいものだった。

「ごちそうさまでした」

「お粗末さまです」

もくもくと食事を勧め食べ終わると、見計らったようにお茶が差し出された。
何だか至れり尽くせりである。
腹が満たされ、脳に血流が巡り始めたロックオンは改めてスメラギからの預かり物をしげしげと眺めた。
ぱっと見はしっかり人間の外見をしている。
言葉遣いも丁寧だし、礼儀正しく人当たりもよさそうだ。
違いがあるというなら、本来の耳より少し上に、少し垂れた黒い耳が生えていて、服がどうなっているのか不明だが(穴が開いているのか?)尻にふさふさと毛足の長いしっぽが生えているくらいだ。
これが獣人というものなのかと、興味深げにロックオンが眺めていると、困惑したような声が上がった。

「あの、何か」

「いんや。俺、獣人って始めて見るからさ」

「そうなんですか? あっ」

「何だ?」

「いえ、名前を聞いてなかったなって」

「そういや、そうだな。俺はロックオンだ」

「僕は、アレルヤです」

「アレルヤ、か。何か順番が前後しちまったな」

「そうですね」

この時になってようやく、お互いに自己紹介めいたものを交わし、そのことが、何だか無性におかしくして、ロックオンは笑った。
そして、アレルヤも。
休日の朝に、唐突に叩き起こされて、引き合わされた妙なめぐり合わせ。
なのに、無性に居心地のいい今の状況。
すべてがちぐはぐなことに、ロックオンは笑ったのだった。
スメラギは1週間よろしく、と言ったが、この分だと、一月でも構わないかもしれないな、とロックオンはいそいそと片づけをはじめるアレルヤを見て思った。
何だか、急に気の回る女房を手に入れたようだった。
そう思ったことに、ロックオンはかぶりを振った。
相手は獣人。
その上、男だ。
それは見間違いがようがないほど、しっかり男性だったのだ。
なのに、女房のようだと思ってしまった自分。
自分はこれ以上ないほどノーマルで女好きだと自認していた自分に、まさかのアブノーマル要素を見つけてロックオンは打ちのめされた。

「はは・・・、一時の気の迷いだよな。・・・あぁ、そうだとも・・・」

自問自答しながら、ロックオンが打ちひしがれていると、止めの一言がアレルヤより放たれた。

「あ、悪いとは思ったんですけど、勝手にお掃除とか洗濯しちゃいました~」

あぁ、神様。
こんな気の利く、素敵な人にめぐり合わせてくれたあなたに感謝と絶望を。

「どうして、女の子じゃないんだちくしょー!」

ロックオンの心の慟哭は、むなしくリビングにこだますだけだった。





「どうしろってんだよ・・・」


- END -
 

 ***** あとがき。*****************************************

あはは、何だかおかしげなことに。
すんません、今現在酩酊中~。
文章も後半、酔っ払いながらの執筆なんで、突飛な展開になってると思われ・・・。

と言うわけで、ギャグですが、ロクアレに挑戦してみました。
どんなもんでしょ? Kちゃん。
個人的に、これはKちゃんに向けて書いたものですよ。
君の感想さえ聞けりゃ、俺は本望だー!(笑)

すんません、酔ってます。
軽く笑い飛ばしちゃってください・・・。

 

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読ませて貰いました~
ありがとう(^▽^)b
確かに読ませて貰いました~♪
獣人とかツボ過ぎて…萌え死ぬトコだったよ←危
やっぱり兄貴は苦労人なんだねww
彼らの今後が気になるよ♪
ナイスロクアレ!!スキカプ違うのに本当、ありがとね!
黒猫 URL 2008/08/19(Tue)23:57:24 編集
節操無しだからさ。
読んでくれてありがとう~。
出会った当初から知ってると思うが、私は好きな作品についてはあまりカプにこだわりがないというか、無節操と言うか。
読んでそこに萌が見出せれば、割かし何でも食うしやっちゃう人なので、メインの好きカプじゃなくてもいけるのだよ~。
何だか今回のロクアレは意外と書いてて自分でも楽しかったよ~。
獣系はやってみたかったネタでもあるしね。
メインのアレティエでもやってみたかったりなんかもして・・・。(笑)
兄貴は・・・、私の中で苦労人というかとばっちり要員なので、こういう扱いに・・・。
アリなのかしら? こういう兄貴。

とにかく、読んでくれてありがとう~。
久しぶりに人から感想聞けて嬉しかったよv
(反応があるのは嬉しいね)
【2008/08/20 22:24】
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